佐世保市制100周年を記念して、全日本空手道連盟剛柔会の「第28回全国空手道選手権大会」が、八月三、四日の両日、佐世保市体育文化館で盛大に開かれた。
 記念大会とあって、佐世保市が全面的にバックアップ。海外からニュージーランド、シンガポール、中国、ドイツ、オーストラリアなど10カ国が参加。組手19種目、形14種目の計33種目にわたり、剛柔流らしい"熱く、激しい戦い"が展開された。


 「剛柔流らしい技を心がけよう」という田中 實 審判長、塩見 明 指導委員長。その言葉通り、組手の部は随所に"厳しい痛み"を感じる戦いが展開された。

 まず剛柔会の王者を決める無差別級。1、2回戦をすんなり勝った昨年の全日本選手権3位の森 敏浩(福岡)。準決勝で大阪の久保竜哉の激しい抵抗に合い、延長の末、中段蹴り(1本)で勝利を得た。
 だが、さすが昨年の無差別級チャンピオン森。決勝の同県対決の野坂武功(福岡)戦では、実に充実した試合ぶりを見せた。九州産大のOB森に対して、野坂は現役。
 森は"始め!"とほぼ同時に左上段蹴りをあざやかに決めた(1本)。さらに中段蹴りで技有り。そして、足をかけ、倒しておいての文句なしの突き(1本)で完勝。野坂は手も足も出なかった。
 「全日本やWKF(世界空手道連盟)の新ルールを常に頭に入れて戦った。特にポイントの良い蹴りを中心に」という森は、決勝で見事に実証してみせた。森は2連覇。
 WKF新ルールでは「上段蹴り3点」「中段蹴り2点」「倒しての完全な突き3点」。あっという間に新ルール通り8-0で勝ってみせたのだった。
 平成六年の無差別級チャンピオン山蔭亮二(東京)は、ノドの手術を終えて健闘したものの、準決勝で延長の末、野坂に惜敗。

 重量級は、昨年の覇者、H・ノイマン(ドイツ)が、今野慶貴(東京・駒大)の先手先手の攻めに戸惑い準決勝敗退。
 この今野と本川修司(長崎・近大2回生)が決勝対決。1-0、1-1、3-2と本川が常に先行したものの3-3の同点に。全く互角の形勢ながら、終了間際、本川が上段突き(顔面)を決めて初優勝を飾った。

 中量級の田中健博(福岡)の王座は、ゆらがなかった。平成八年の中量級初優勝以来、昨年まで中・軽量で5度優勝している田中。決勝の島秀太(福岡)との一戦も1-1から上段突きを決め、中量級5度目優勝を飾った。

 軽量級は地元の田渕大祐(長崎)が初優勝。少年女子では、オーストラリアのナショナル・チーム代表のブルック・アーチボールド(オーストラリア)が大分の坂本奏を一方的に破って3-1で快勝。外国女性として史上初のタイトルを手にした。

 少年男子は福岡の藤澤武之が初優勝。一般女子組手は、日本代表の岩切加奈子(高知)が初優勝。予選では動きが鈍かったものの、決勝では気分一新。シャープな技を回復し、九州産大の後輩、井内理賀(福岡)を4-0で下し、OBの底力を見せつけた。組手関係は、福岡Aが3勝1敗1分けで福岡Bを破り、二年連続13度目優勝。

 今大会、組手19種目中、9種目を制した福岡の活躍ぶりが、際立っていた。

 形の部は、一般男子で古川哲也(新潟)が日本代表の貫禄を見せ4連覇。

 同女子は、昨年準優勝の図師千秋(大分)が、昨年の女王・徳野ユミ(和歌山)を0.15点の僅差で破り初優勝を手にした。いずれもスーパーリンペイを決勝で演じ、甲乙つけ難かった。

 二日間にわたって戦いが演じられた全33種目。「全般的に、昨年に比べて、さらにレベルアップしていた」(田中 實 審判長)と、評価は高かった。

記事
全日本空手道連盟剛柔会広報委員長
甲田 壽彦

小学3年生
男子組手

小金丸 大河(福岡)

橋口 龍三(長崎)

和泉 翼(神奈川)
林 凌平(京都)

小学4年生
男子組手

村上 誠(東京)

足立 聡志(大阪)

西本 亮(宮城)
菅原 悠太(宮城)

小学3・4年生
女子組手

濱 和恵(福岡)

山本 桜子(長崎)

田島 沙記(長崎)
板津 沙耶(埼玉)

小学5年生
男子組手

池本 達也(福岡)

竹中 夢羽(福岡)

石橋 大和(長崎)
安原 莞太(京都)

小学6年生
男子組手

中村 公輔(京都)

松本 真伍(福岡)

大原 啓生(京都)
安井 健太(大阪)

小学5・6年生
女子組手

吉安 香寿恵(熊本)

山本 茜(大阪)

栗山 望(長崎)
趙 亜美(京都)

中学1年生
男子組手

宮本 大希(福岡)

青柳 裕郎(京都)

園田 貴浩(大分)
橋口 和敬(長崎)

中学2年生
男子組手

川口 直文(東京)

松本 慎也(京都)

三ツ川 智大(大阪)
玉城 徳康(長崎)

中学女子1・2年生
女子組手

高橋 亜由美(福岡)

引地 貴子(大阪)

宮里 真希(大阪)
外村 萌夢(神奈川)

中学3年生
男子組手

濱野 祐基(和歌山)

大瀬良 健二(長崎)

元木 健太(東京)
小森 大樹(京都)

中学3年生
女子組手

宮原 千晶(大分)

藤井 優依(京都)

鳥潟 奏恵(秋田)
吉安 彩乃(熊本)

少年
男子組手

藤澤 武之(福岡)

山口 浩平(長崎)

樫葉 憲二郎(京都)
福井 優(長崎)

少年
女子組手

ブルック・アーチボールド
(オーストラリア)

坂本 奏(大分)

朝日 恵美子(福岡)
近藤 朋美(埼玉)

一般 男子
軽量級組手

田渕 大祐(長崎)

永渕 剛(福岡)

鈴木 博英(東京)
立野 勇樹(福岡)

一般 男子
中量級組手

田中 健博(福岡)

島 秀太(福岡)

濱口 紘史(和歌山)
村上 亮平(和歌山)

一般 男子
重量級組手

本川 修司(長崎)

今野 慶貴(東京)

田代 忠義(福岡)
Neumann Hagen
(ドイツ)

一般 男子
無差別級組手

森 敏浩(福岡)

野坂 武功(福岡)

山蔭 亮二(東京)
久保 竜哉(大阪)

一般
女子組手

岩切 加奈子(高知)

井内 理賀(福岡)

Sabrina Kumer
(ドイツ)
後藤 啓子(大分)

一般
団体組手

福岡A

福岡B

長崎
和歌山

小学1・2年生
男子形

仲尾 宗一郎(東京)

住野 昭彦(福岡)

日高 築(京都)

小学1・2年生
女子形

北田 佳麗(大阪)

大方 夏季(大阪)

松下 華歩(京都)

小学3・4年生
男子形

足立 聡志(大阪)

加世田 翔人(大阪)

山本 太志(福岡)

小学3・4年生
女子形

大野 ひかる(大分)

畠山 穂風(秋田)

竹本 里穂(大阪)

小学5・6年生
男子形

石塚 錬(秋田)

宮崎 健太(大分)

佐藤 俊英(宮城)

小学5・6年生
女子形

森岡 実久(高知)

西谷 沙也子(京都)

秋元 毬菜(秋田)

中学生
男子形

木戸 浩貴(宮城)

青木 竜太(京都)

大野 祐一郎(宮城)

中学生
女子形

西谷 真依子(京都)

濱 慶子(福岡)

石原 麻菜実(大阪)

少年
男子形

木元 慎也(大分)

玉城 達也(大阪)

中川 太一(京都)

少年
女子形

濱川 のぞみ(沖縄)

坂本 奏(大分)

三瀬 真緒美(大阪)

一般
男子形

古川 哲也(新潟)

岡村 圭造(京都)

増田 典彦(沖縄)

一般
女子形

図師 千秋(大分)

徳野 ユミ(和歌山)

石塚 歩(秋田)

35歳以上
女子形

増尾 智子(大阪)

Fan Ming Lan
(中国・香港)

Leung Shuk Yee
(中国・香港)

40歳以上
男子形

後藤 秀男(静岡)

安達 俊武(大分)

小川 和喜(岡山)