大会記事

 全日本空手道連盟剛件_会の『第33回全国選手権会』は、7月28日・29日の両日、延べ1698人が参加し組手(22)・形(14)の計36競技が行われた。 試合に出場した外国勢も8カ国(9地域)42人と多彩。審判、役員などを加えると外国からは12カ国95人が参加する国際色に富んだものとなった。

 まず組手競技。最終日の最終種目として真打ち登場したのが、団体決勝「福岡県-香川県A」。両県の決勝対決は8年ぶり通算7回目だ。ともにエースを欠きながらの対戦。

 今年はルールが変わり3本先取り(技有6本)。技有りを交互に取り合う先鋒戦。福岡の野坂初段が香川A大林初段に3-4とリードを奪われた。が、野坂が一気に反撃。 右上段突き、左中段突き、左中段突きと連取して先鋒戦を制した。これでチームのムードが急上昇。

 次鋒・福本初段が鯛中初段と引き分けたあと福岡は、小金丸優初段が大比賀2段を3-2で制して有利に進行。続く副将戦で本田初段が強敵・古閑2段(今回重量級V)に2-1で辛勝、 3勝1分けとしこの時点で4年ぶり15回目の優勝を決めた。(大将戦は香川の福家3段が2-0で小金丸正3段に快勝)

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団体決勝 副将戦
福岡の本田雄一郎(左)が香川の古閑宏之を2-1で破り3勝1分けとし、この時点で優勝を決める
写真2
団体決勝の福岡県チーム

 個人組手の最強を決める男子無差別級決勝は、重量級から転向した今野慶貴(東京)と16年もの長きにわたって無差別級上位に君臨している山蔭亮二(東京)との東京決戦。 が、この一戦、山陰より10歳若い今野(25歳)の勢いが優った。 上段突きを3本連取し、最後は左中段突きを決め4-0で完勝した。

写真3
一般男子無差別級決勝
今野慶貴(東京)=左が、同じ東京の山蔭亮二に圧勝し初優勝

 内容的には山陰のリーチの長さを計算した戦法の今野の勝利。敗れた山陰自身「優勝できなければ、1回戦負けと同じ」と謙そんするが、16年間の内、優勝1回、準優勝5回、3位6回と常に上位に存在するということは、実に素晴らしい拳士であることに間違いない。 声を失いながら35歳になっても空手道への情熱を燃やす山陰の真摯な姿勢に、拍手を贈りたい。

 重量級はどっしりとした構えを全く崩さない古閑宏之(香川)が山口和哉(和歌山)と決勝で対戦。もたついた1、2回戦とは見違えるばかりのシャープなカウンター上段突きを発揮し3-0で圧勝し初の栄冠をつかんだ。

写真4
一般男子重量級決勝
古閑宏之(香川)=右が、和歌山の山口和哉を破り初優勝

 中量級は36歳のベテラン峯真太郎(群馬)が、快勝で地元大阪の久保竜哉を5-2で破り初優勝。平成6年の第20回大会無差別級で準優勝して以来、中量、無差別級で3位に甘んじてきたものの、ついに手にした栄冠だった。軽量級は中村竜大(千葉)が森川徹也(京都)を6-4で破り初優勝。

写真5
一般男子中量級決勝
峯真太郎(群馬)=左が、大阪の久保竜哉を破り初優勝
写真6
一般男子軽量級決勝
中村竜大(千葉)=左が、森川徹也(京都)を破り初優勝

 少年男子・浅井太朗(宮城)、同女子・濱良枝(福岡)もそれぞれ初優勝を飾った。

写真7
少年女子決勝
濱良枝(福岡)=右が、永田恵未(京都)を破り初優勝

 一般女子は石塚明日美(秋田)が初優勝。

 一方、一般女子形では番狂わせがおきた。ほぼ昨年同様の顔ぶれで決勝へ。スーパーリンペイでの対決となった。二番手、三番手で登場した2連覇中の中谷智子と 3年前の女王・酒居芙美(共に和歌山)が同点の25.70点(内容で中谷が上位)。最後に登場した石塚歩(秋田)が、力強くノーミスで演武し25.80点。0.10点の僅差で、 ついに初優勝を手にした。

写真8
一般女子形初優勝の石塚歩(秋田)のスーパーリンペイ

 一般男子形は、古川哲也(新潟)が決勝でセーサンを演じ2年連続8回目のVをものにした。安定した力を持つ古川の牙城を崩すのは、至難のワザとなってきた。

写真9
一般男子形優勝の古川哲也(新潟)のセーサン

 少年男子は石塚錬(秋田)が昨年2位の悔しさをバネに、見事、初優勝。姉の歩、明日美さんと三人揃って優勝を飾り、今秋の秋田国体に向けて好発進した。

 形少年女子は木下彩香(和歌山)が大阪の柏岡鈴香(昨年中学3年でV)を制し初栄冠を手にした。

 今大会は組手、形ともにハイレベルな試合が連続した。組手一般女子の準決勝では中国香港のチャン・カ・マン(ドーハ・アジア大会3位)と ニュージーランドのカイリ・ロックフォードが準決勝で大接戦。決勝でもチャンは、石塚明日美を相手に好勝負を演じ、場内をわかせていた。

 今後、更に国際色に富んだ内容となることだろう。

写真10
大好評のアトラクション 黒潮・躍虎太鼓(やっこだいこ)

(全日本空手道連盟剛柔会・広報委員長 甲田壽彦)

大会結果

形の部

小学生男子1・2年
優勝 平山 健太(香川県)
準優勝 長谷 直樹(大阪府)
第三位 大井 亮哉(京都府)
優秀賞 土橋 快哉(京都府)
伊藤 鉄馬(愛知県)
崎山 優成(香川県)
村上 拓海(長崎県)
橋本 広之(大阪府)
小学生男子3・4年
優勝 秋山 和輝(鹿児島県)
準優勝 近藤 信(福岡県)
第三位 畠山 晃(秋田県)
優秀賞 榎本 健斗(東京都)
小川 和晃(富山県)
藤川 翔(岡山県)
高橋 康太(秋田県)
石松 颯太(大分県)
小学生男子5・6年生
優勝 島田 龍典(埼玉県)
準優勝 矢口 大介(福岡県)
第三位 西山 走(岡山県)
優秀賞 鈴木 康平(宮城県)
矢野 純平(大阪府)
宮本 侑(和歌山県)
服部 悠哉(大阪府)
上原 将人(静岡県)
小学生女子1・2年
優勝 中野 あさひ(京都府)
準優勝 秋山 英里佳(鹿児島県)
第三位 柳川 かれん(京都府)
優秀賞 上原 佳容子(大阪府)
小笠原 桃子(大阪府)
山下 紗慧(大阪府)
北川 空(千葉県)
猪原 海輝(大阪府)
小学生女子3・4年
優勝 平石 紗良(香川県)
準優勝 吹上 優海(福岡県)
第三位 加藤 悠乃(大阪府)
優秀賞 小峯 桃子(群馬県)
村上 萌依(新潟県)
橋本 夕佳(大阪府)
高橋 彩音(秋田県)
澤口 栞子(宮城県)
小学生女子5・6年
優勝 増尾 美菜(大阪府)
準優勝 朝倉 桃香(宮城県)
第三位 矢口 薫子(福岡県)
優秀賞 小倉 杏(京都府)
相馬 美樹(秋田県)
相井 里香(京都府)
吹上 暁海(福岡県)
南村 実紅(和歌山県)
中学生男子
優勝 山田 直輝(千葉県)
準優勝 松村 一輝(福岡県)
第三位 井本 匠(和歌山県)
優秀賞 川上 重希(沖縄県)
杉安 啓嘉(大分県)
千葉 康平(宮城県)
上野 泰周(大分県)
尾家 匡哉(和歌山県)
中学生女子
優勝 大野 ひかる(大分県)
準優勝 中條 美月(新潟県)
第三位 濱 和恵(福岡県)
優秀賞 阿部 美咲(宮城県)
津田 麻名(和歌山県)
西山 葵(岡山県)
遊木 美里(兵庫県)
齊藤 美紗希(秋田県)
少年男子
優勝 石塚 錬(秋田県)
準優勝 高田 有(沖縄県)
第三位 宮崎 健太(大分県)
優秀賞 徳山 宗佑(京都府)
古川 潤(新潟県)
杉下 巧一(京都府)
阿部 勇樹(大分県)
中越 裕之(大阪府)
少年女子
優勝 木下 彩香(和歌山県)
準優勝 柏岡 鈴香(大阪府)
第三位 西谷 紗也子(京都府)
優秀賞 永田 恵未(京都府)
安原 萌(大阪府)
平原 彩香(神奈川県)
小川 加織(愛媛県)
大橋 愛(神奈川県)
一般男子
優勝 古川 哲也(新潟県)
準優勝 齊藤 和久(秋田県)
第三位 仲田 暢宏(東京都)
優秀賞 月原 元太(愛媛県)
峯 真太郎(群馬県)
岡本 泰弘(福岡県)
小森 周一(大阪府)
神田 盛太(和歌山県)
一般女子
優勝 石塚 歩(秋田県)
準優勝 中谷 智子(和歌山県)
第三位 酒居 芙美(和歌山県)
優秀賞 井上 和代(愛媛県)
石原 麻菜実(大阪府)
相輪 真以子(大阪府)
矢野 愛海(京都府)
堀井 千安希(香川県)
50歳以上男子
優勝 斉藤 仁(茨城県)
準優勝 羽藤 正実(東京都)
第三位 舛形 康人(香川県)
優秀賞 坂本 真澄(大阪府)
矢野 吉基(愛媛県)
宮里 勇(東京都)
玉城 雄三(大阪府)
小石 貞夫(東京都)
40歳以上女子
優勝 井口 美津子(福岡県)
準優勝 清水 勝子(秋田県)
第三位 藤家 美智代(福岡県)
優秀賞 堺 昌江(大阪府)
竹川 明子(東京都)
矢澤 千尋(東京都)
牛島 央子(東京都)
深石 美穂(沖縄県)

組手の部

小学生男子1年
優勝 和田 太一(京都府)
準優勝 大野 恭成(京都府)
第三位 安藤 大和(長崎県)
加藤 拓(秋田県)
優秀賞 川副 幸之輔(長崎県)
島津 輝(京都府)
廣瀬 敬人(大分県)
北浦 憲伍(奈良県)
小学生男子2年
優勝 上山 大就(京都府)
準優勝 吉瀬 莉玖(神奈川県)
第三位 土橋 快哉(京都府)
栗谷川 陽太(秋田県)
優秀賞 田中 陸仁(長崎県)
仲山 由泰(福岡県)
能勢 叶夢(大阪府)
愛須 正実(和歌山県)
小学生男子3年
優勝 大塚 隆祐(神奈川県)
準優勝 宮崎 翼(神奈川県)
第三位 藤川 真基(岡山県)
安達 諒祐(大分県)
優秀賞 平井 颯(京都府)
中谷 尚基(徳島県)
増田 祐也(福岡県)
中根 汰秀(大分県)
小学生男子4年
優勝 本村 潤也(長崎県)
準優勝 鷲谷 皆人(秋田県)
第三位 万福 康平(京都府)
中野 壮一朗(京都府)
優秀賞 副原 健聖(大分県)
高橋 陽向(宮城県)
黒川 大輔(大阪府)
赤坂 颯太(神奈川県)
小学生男子5年
優勝 鳴島 崇人(東京都)
準優勝 和田野 友也(京都府)
第三位 大門 勇斗(京都府)
大塚 虹希(千葉県)
優秀賞 森住 龍之介(長崎県)
吉田 壮志(長崎県)
石田 将貴(大阪府)
平松 杏介(大分県)
小学生男子6年
優勝 橋本 卓麿(京都府)
準優勝 堀江 圭功(長崎県)
第三位 鎌田 修成(東京都)
谷原 秀典(栃木県)
優秀賞 豊 未都樹(和歌山県)
門田 拓也(大阪府)
前田 涼太(和歌山県)
安部 喬(大阪府)
小学生女子1・2年
優勝 中野 あさひ(京都府)
準優勝 川原 加奈子(富山県)
第三位 宮原 佐季(大阪府)
秋山 英里佳(鹿児島県)
優秀賞 平田 愛梨(大阪府)
小笠原 桃子(大阪府)
柳川 かれん(京都府)
羽吹 栞樹奈(千葉県)
小学生女子3・4年
優勝 永澤 萌香(長崎県)
準優勝 南 歩美(千葉県)
第三位 小片 瑞稀(京都府)
小川 彩月(大阪府)
優秀賞 菊地 一紗(京都府)
工藤 綾華(秋田県)
東海 真保(京都府)
五月女 華乃(大阪府)
小学生女子5・6年
優勝 永澤 梓穏(長崎県)
準優勝 伊藤 都希(京都府)
第三位 平野 美里(京都府)
相井 里香(京都府)
優秀賞 伊藤 遥菜(秋田県)
浦塚 みやび(大分県)
関川 満理奈(栃木県)
北田 愛実(大阪府)
中学生男子1年
優勝 井澤 優哉(福岡県)
準優勝 立川 遼(大分県)
第三位 新井 翔太(神奈川県)
松原 英一(福岡県)
優秀賞 鍋倉 萌杜(東京都)
横山 侑也(宮城県)
堀井 海斗(秋田県)
木村 駿介(大阪府)
中学生男子2年
優勝 井尾 祐斗(京都府)
準優勝 山本 悟士(大分県)
第三位 小金丸 大河(福岡県)
丹羽 晶大(京都府)
優秀賞 千葉 雅也(香川県)
窪田 伊織(愛媛県)
花輪 久志(千葉県)
高見 良祐(埼玉県)
中学生男子3年
優勝 薬師寺 拓哉(大分県)
準優勝 南光 龍樹(京都府)
第三位 藤森 優史(京都府)
米倉 新二(大分県)
優秀賞 石津 亮(千葉県)
堀部 雅也(大分県)
村上 仁(宮城県)
村上 誠(東京都)
中学生女子1・2年
優勝 東海 志保(京都府)
準優勝 濱 和恵(福岡県)
第三位 岩佐 実夏子(京都府)
林 亜美(京都府)
優秀賞 井上 真伊華(大阪府)
田中 杏奈(京都府)
戸高 美咲(福岡県)
染谷 真有美(茨城県)
中学生女子3年
優勝 大野 ひかる(大分県)
準優勝 大川 志貴穂(宮城県)
第三位 安井 美奈実(大阪府)
瀬口 恵里加(大分県)
優秀賞 植草 歩(千葉県)
佐藤 澪(京都府)
遊木 美里(兵庫県)
伊藤 遥(秋田県)
少年男子
優勝 浅井 太朗(宮城県)
準優勝 宮里 幸貴(大阪府)
第三位 鯛中 亮祐(香川県)
大林 龍馬(香川県)
優秀賞 石塚 錬(秋田県)
古川 潤(新潟県)
石川 慧人(神奈川県)
熊谷 大輝(大分県)
少年女子
優勝 濱 良枝(福岡県)
準優勝 永田 恵未(京都府)
第三位 三苫 朱音(福岡県)
柴田 仁美(東京都)
優秀賞 大橋 愛(神奈川県)
宮本 紗菜恵(大阪府)
藤原 実紗(愛媛県)
森下 美佳(和歌山県)
一般男子軽量級
優勝 中村 竜大(千葉県)
準優勝 森川 徹也(京都府)
第三位 引地 秀行(大阪府)
竹川 穣(東京都)
優秀賞 芳賀 大佑(奈良県)
海老原 覚(栃木県)
奥村 哲也(大阪府)
御堂 照博(愛媛県)
一般男子中量級
優勝 峯 真太郎(群馬県)
準優勝 久保 竜哉(大阪府)
第三位 野坂 竜士郎(福岡県)
山田 祐亨(京都府)
優秀賞 三井 大史(京都府)
吉田 真澄(滋賀県)
大橋 直人(神奈川県)
舛形 康人(香川県)
一般男子重量級
優勝 古閑 宏之(香川県)
準優勝 山口 和哉(和歌山県)
第三位 村川 哲也(神奈川県)
波多野 翔太(京都府)
優秀賞 宮下 泰明(東京都)
福吉 真也(大阪府)
久世 淳也(京都府)
村上 亮平(和歌山県)
一般男子無差別級
優勝 今野 慶貴(東京都)
準優勝 山蔭 亮二(東京都)
第三位 福本 実貴雄(福岡県)
小金丸 正人(福岡県)
優秀賞 長井 純一(愛媛県)
高野 翼(神奈川県)
三ツ川 智大(大阪府)
福家 孝一(香川県)
一般女子
優勝 石塚 明日美(秋田県)
準優勝 Chan Ka Man(中国香港)
第三位 宮里 真希(大阪府)
Kylie Rochford(新西蘭)
優秀賞 梨岡 智美(福岡県)
坂尾 美香子(大阪府)
東本 奈菜(和歌山県)
佐藤 祐美(秋田県)
一般男子団体
優勝 福岡県
準優勝 香川県A
第三位 愛媛県
東京都