財団法人 全日本空手道連盟

中学校武道必修化に向けて

1. 笹川会長のことば(空手道指導の手引「まえがき」より)

平成18年12月、59年ぶりに改正された教育基本法を受け、平成20年3月、中学校学習指導要領が改訂されました。その中で、我が国の伝統的な運動文化である武道を学校における体育学習の内容として重視していくことが盛り込まれ、我が国の文化や伝統を尊重する観点はもとより、これからの国際社会において、世界に生きる日本人を育成していく立場からも大変価値あるものであります。

私たち財団法人全日本空手道連盟(以下、全空連)では、空手道を通して技と心を修練する姿を、「礼」と「節」の精神を基盤とするところであり、「礼」とは、人を敬い人に感謝し、社会秩序を保つ理念であり、「節」とは、善悪の判断ができ、自己を律する節度であり、この精神を規範として心身のバランスのとれた人間形成に至る大事な側面をしっかりと支え、教育実践に寄与するものであります。

現在、少子高齢化社会はスポーツ指導者の高齢化を招き、指導者の不足も深刻な状況となっており、青少年のスポーツ選択の機会を著しく狭いものにしております。このことは、生涯スポーツの視点から豊かなスポーツライフの実現に弊害となることも予想されます。
財団法人日本体育協会公認スポーツ指導者制度のスポーツ指導者の資格取得状況において、全空連の多くの空手指導者が、地域のスポーツ指導員として認定を受けております。このような現状のなかで、全空連の資格を持ち日体協が公認するスポーツ指導員が地域スポーツ指導はもとより、中学校の体育授業で不足する部分を補っていくことが考えられます。

本書は、以上のような状況に対応して、中学校学習指導要領の趣旨に基づき、作成委員が検討し作成いたしました。空手道の特性やねらい、指導計画や学習指導の展開、礼法や基本技術の練習法などをまとめ、中学校体育実技の武道(空手道)指導をより効果的にするための参考に供することとしたものです。

武道の必修化に及んだ社会的な背景や武道の意義からも形骸化させてはならなく、中学校体育授業指導や地域スポーツ指導にあたる空手道指導者においても、本書を活用され、空手道指導についての一層に理解を深められるとともに、創意工夫を生かして充実した空手道教育にあたられることを期待いたします。

財団法人 全日本空手道連盟
会長 笹川 堯

2. 学校指導における空手道について

  1. 授業時間がしっかりと確保できます。
    学校指導における空手道はジャージ等で活動でき、また、畳など事前に準備・片づけをするものもないので、授業時間の確保ができます。「武道」の単元の割り当てが12時間程度と考えると、こういった時間の積み重ねは大きいと思われます。
  2. バランスの良い体づくりが期待できます。
    空手道の動作は利き腕・利き足ばかりを使わず、左右均等に使用するので、バランスの良い体づくりと、体幹筋肉の増強が期待できます。この2点を鍛えることは、空手道以外の生徒の部活動や、生涯スポーツという観点からも非常に効果的なことです。
  3. その他空手道の特性
    約束組手、団体形では生徒間の思いやりの心や協調性の育成が図れます。(約束)組手はノンコンタクト(寸止め)を採用していますので、安全性も確保できます。また、他の武道に比べ男女の性差が少なく、男女ともに選択できる武道でもあります。

3. 学習指導資料について

『空手道指導の手引』(無償提供可 ※1、※2)

作成委員(役職名は平成22年度のもの)
監修 栗原茂夫 (財)全日本空手道連盟専務理事
委員 河野匡宏 (財)全日本空手道連盟常任理事
岩城公二 全国中学校空手道連盟副理事長
中村武志 全国中学校空手道連盟事務局長
野中史子 全国中学校空手道連盟事務局次長
千葉佳永子 全国中学校空手道連盟常任理事
小山正辰 大阪府立桜塚高等学校長
松田 健 沖縄県中体連空手道部専門委員長
榮 葉子 沖縄県中体連空手道部専門委員
豊嶋建広 麗澤大学教授・国際武道大学講師
井下香織 国際武道大学講師
【協力校】
北海道北広島市立東部中学校
富山県上市町立上市中学校
大阪府金光八尾中学高等学校
高知県高知市立青柳中学校
沖縄県沖縄市立山内中学校

『映像資料(DVD)』1枚1,000円(※1)

*指導の手引と合わせてご利用ください。

『空手道指導の手引』『映像資料(DVD)』注文の申込書(PDFファイル)

※1) ご注文はFAXかE-mailあるいは郵送にて承ります。
※2) 『空手道指導の手引』について、無償提供できるものは限りがありますので、お早めにご注文ください。

4. 第2回全国空手道指導者研修会について

開催日: 2011年(平成23年)8月26日〜28日
会場: 日本空手道会館 参加料: 無料。但し、資料費(『空手道指導の手引』及びDVD)1,000円は自己負担。
参加人数: 80名(調整は全空連事務局が行います)
申込締切日: 2011年7月15日(金)
申込先: (財) 全日本空手道連盟 事務局 日下修次 宛(※)

※申込は、お住まいの都道府県空手道連盟あるいは全国中学校空手道連盟または全国高等学校体育連盟空手道部が取りまとめ、全日本空手道連盟に申し込みます。

※詳細につきましては、要項をご覧下さい。

◆段位審査を行ないますので、(財)全日本空手道連盟公認段位を取得することも可能です。学校教育に係る指導者の皆さんは、ふるってご参加ください。