7月31日() Otto、オットー、またおっとー。

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今日の練習は午前中だけ、午後は西村先生と筋トレをしました。上半身中心のトレーニングで、終わった後、腕と胸が痛かった。西山さんは腰を痛めてとても痛そうだった。
今日は三宅さんは大丈夫でした。

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イタリアのファガッツォ先生

佐々木海旅日誌より

練習4日目。
動きは、完全に緩慢になり、一気に年をとったかのような疲労感と、全身の筋肉痛で、朝から調子が非常に悪い。また、体中の痛みで、全身が熱を持ってしまい、夜はまんじりと寝られず、かなり大変な状態となっていた。日に日に弱っていくのがよくわかっていた。

本日のクラスは、最大の6クラス!!!
午前中に、先日お見えになった、世界大会を3度制したOtto(オットー)先生のクラスが、3クラス用意されている。
おそらく、最高にハードな1日になることは間違いない。

というわけで、朝9時〜10時15分の組手スペシャルコースへ。
Otto先生は、遠間から、フェイントを使って、極めに持っていくコンビネーショントレーニングを指導して下さった。

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オットー氏のクラス

佐々木海旅日誌より

フェイントが、中途半端な技にならないように、また、カウンターを食らうような間合いまで踏み込みすぎないよう、フットワークを駆使して、相手を前後に動かし、瞬間、転身して、サイドから(西村先生流に言うと、forty five degree=斜め45度方向)一気に技を決める練習から始まった。

この練習を行っていた時、相手は、やはり長身の選手を選んでいたため、極め技がなかなか決まらない。そこで、Otto先生に、拙い英語で、質問をする。
Otto先生曰く、明らかに身長差がある場合は、サイドチェンジを大きくせずに、少し技をずらし気味に飛び込むときまりやすいとのこと。
さっそく試してみると、明らかに極まり方が違った。
続けて、Otto先生は、体格に応じて技を変化させるべきともおっしゃった。
なるほど、習った技をそのままコピーするばかりでは、上達はあり得ない。
とはいえ、その技のエッセンスを理解しないで、体格に応じて変化ばかりさせていては、結局その技は身につかない。
組手技術の難しさは、ここにあると思う。

Otto先生の技術は、相手の攻撃を誘って、その攻撃に対し、効果的に技を決めるというものが大半であった。
誘い方は、非常にクレバーで、一見、単に失敗しただけか、それとも決める技術がないのかと思わせるところにこの技のカギがあると思った。
また、フットワークを使い続けなければ、誘いの段階で、相手に間合いを完全に詰められてしまって、元も子もなくなってしまう。

しっかりと、最初の誘いの動きで前後に動く、極めるときに、サイドチェンジを効果的に使うといった、フットワークの明確な使い分けがなされていなければ、難しいだろうとも考えた。
9時のOtto先生のクラスで、最もきつかったのが、5〜6人1グループで行う最後の打ち込み形式の練習。
前に立った一人は、今まで習った返し技を駆使して決める。
後の5〜6人は、最初から順番に既定の攻撃技を仕掛けるといったもの。
最初は、一番簡単な技。
そこから、2つ、3つと増えていき、最終的には、1人5つの攻撃技を仕掛けてくる。
それを、前に立った1人は、喰らわないように、頭で整理して、正確に反撃しなければならない。
とにかく、決まった攻撃パターンとは言え、非常に体力と集中力が要求される練習であった。
この組手スペシャルコースに参加している受講生は、何度も記述しているように、非常にレベルの高い選手が多い。
従って、気を抜くと攻撃技が、容赦なく極まってくる。
つまり、体が痛いなどと泣き言を言っているようなクラスではないのだ。
本当に集中して練習をしたと我ながら思う。

その後、10時30分〜11時45分の、有段者コース、11時45分〜13時の1〜3級コースとOtto先生のクラスを受けた。

基本的な練習内容は、9時〜10時15分の組手スペシャルコースの練習内容に即した内容で、もう少し、動きを簡略化した練習内容になっていた。
また、Otto先生の指導の特徴として、何をどのようにしたいのかという指導目的がはっきりしているため、受講内容が、きわめて理解しやすく、しかも、しっかりとお手本を示してくれるので、どの講師よりも分かりやすかったという感がある。

大変だったが、面白く、また為になり、指導という面でも大いに勉強になったクラスであった。

さて、午前の部が終わり、昼食をとると、午後の部である。
14時15分〜15時30分の講師は、Nischmann先生であった。
そう、あの厳しいNischmann先生である。
クラスは、有段者コース。
指導内容は、ダイレクト・インダイレクトはもちろんであるが(この意味は、前日のNischmann先生のクラスの項目に記述してあります。)、蹴り技での極め方により重点を置いた指導をしていた。
蹴りの出し方、さらに引き足を取っての間合いの切り方、蹴りの軌道といったものを随分詳しく説明されていたと思う。
(繰り返すようですが、ドイツ語は分かりませんが、おそらくそういう内容をおっしゃっておられたと思います。)
また、逆体(左構え対右構え)の相手に対するコンビネーションパターンをいくつか練習した。
Nischmann先生の技は、本当に正確で、緻密な感じがした。
たぶん、性格がそのまま技に出ているのであろうと感じた。

本日最後のクラスは、16時45分〜18時のBoskovic(ボスコビッチ)先生。
クラスは、1〜3級コース。

Boskovic先生は、フットワークトレーニングを中心とした指導内容であった。体のひねりを使ったブロックテクニックや、サイドチェンジを利用したカウンターテクニックなどを中心に授業が構成されていた。
また、上段、中段、足払いと、それぞれの蹴り技を、しゃがむ、ひねる、足を挙げてすかすといった方法で、反応してよける練習が、なかなか面白かった。
一番最後に、飛び上段後ろ回し蹴りで極めるフットワークテクニックトレーニングがあったが、このとき相手になっていた14〜15歳のフランス人の女の子が上手に決めていたのを見て、本当に感心してしまった。この相手になっていた女の子、蹴り技が本当に上手であった。

以上、練習4日目も、どうやら乗り切ったと思う。
しかし、最後のほうは、体が思うように動かず、なんとももどかしい思いをしてしまった。

三宅遵旅日誌より

おはようございます。昨日痛めた腰が悲鳴をあげています。
ここまで順調に来た身体も、これまでか。
今日は組手スペシャル、セミナー2つとOTTO先生の講座を3時間も受けられたのに・・・。
あきらめムードで食堂へ下りていく。
西村先生が「どう、腰だいじょうぶ」と心配してくれたのだが、良い返事は出来ない。
「あまり無理せずにね」と優しい言葉が返ってくる。(心が痛い)
今日はメンバー3人共、テンションがかなり低い。
部屋に帰り、空手衣に手を通し、黒帯を結んでみる。
『んっ、何か感覚が違うぞ』 
帯がサポータ代わりになっているのか、痛みをあまり感じなくなった。
練習モードになり「アドレナリン」も手伝ったのだろう。
そのままOTTO先生の組手スペシャルへ。会場に入れば気分はもう最高潮。
なんの故障もないかのように、身体が動いてくれる。痛くない。
こうなればいつもの元気復活。全快で練習に集中できる。
その日の練習はかなりハードで、1対4の連続攻撃を受ける約束組手などもあり、休む暇が無かったのだが、気分が乗っているせいか、疲れがまったく無い。
終わって気が付いてみると、両方の足の甲が紫色に腫れ上がっていた。
しかし、これも心地よい痛みだ。充実した練習が出来たからだろうか。

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古武道教師のリーさん

これ以降、腰の痛みもあまり気にならず、6時間のセミナーを無事に終了できた。
ここラベンズブルグに来てすべてがプラス思考で考えられる。不思議な街だ。
今日も最高に楽しい練習させていただきました。有難うございました。

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ラベンスブルグ市役所です

西山すずみ旅日誌より