8月3日() シンガポールのマーライオン【追記】

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さて、8月2日、ドイツを後にして、帰路に就いたのだが、今回の旅は、行きも帰りもシンガポール経由であった。

ドイツも初めて行った場所ならば、シンガポールも初めて。
乗り換え時間まで、9時間ほど時間的余裕がある。
シンガポールは、こうした乗り換えに多く利用される空港で、利用客へのサービスが非常によい。
乗り換えのためだけに立ち寄った乗客も、空港内に足止めされることなく、時間的余裕があれば、なんと外に出て観光ができるのだ。
何とも嬉しい話である。

またシンガポール空港は、時間のない乗客のために、空港内設備が整っていて、非常にきれいで、広いのだけれども乗り換えるターミナルとゲートにたどりつけば、飛行機に乗るまでの余計な手間がかなり省かれている。
関西国際空港は、だだっ広く、しかもターミナルに入ってからゲート到着まで移動、移動でやたらと疲れる。
見習ってほしいものだ、全く!

話をもどす。
空港到着後、乗り継ぎ手続きを先にするのだが、ここでも自分は、あまりの疲労のために、ぼ〜~~っとしていて、迷惑を掛けてしまう。
機内に持ち込もうとしていたカバンの中に、お土産のワインを入れていて、それに気づいた空港職員が、親切に、ワインは持ち込めないから手荷物以外の荷物として運ぶように助言をくれた。
それに従うことにしたのだが、問題はかなりのビン類が入っていたこと。
割れないように工夫をして、あとは運任せ。

こうして、荷物を預けたのは良いが、その時、その鞄の中にパスポートと旅券を入れたままにしたかも…と気づく。
やばい!!!
練習のときと違う意味で血の気が引く。
とりあえず探す。
かなり必死になって探す。

あった〜~~~~!!!

神様は、見守ってくれていた。
見つかった瞬間、自分の頭の上で、天使がラッパを吹いて飛んでいた。

皆さん、心配かけてごめんなさい。

その後、空港内施設であるラウンジへ向かう。
これは、乗り継ぎまでの時間をゆったりと過ごすための施設で、休憩設備が整っており、フリードリンク・フリーバイキング、シャワールーム、そしてスポーツジムまで付いた施設である。
入場料約1500円程度。
ここの入場チケットを、事前に購入していたのであるが、神様は、少しだけ自分を見放していた。
そう、このチケットを前述のカバンの中に入れっ放しにしていたのだ。

西村先生の呆れ顔を背にして、とりあえず入場料を支払う。

さて、出国までのこのかなりの時間の過ごし方について、相談し合う。
その時、自分は、マーライオンが見たいと主張した。
12歳の佐々木海君は、
「そんなの、口から水が出ているだけですよ。しんどいだけじゃないですか」
と、のたまった。
31歳の自分は、折角シンガポールに来たのだから、どうしてもこれを見ておきたいという好奇心が抑えられず、お願いしてみる。
西村先生は、しゃあないな(関西弁で、「仕方がない」という意味で、もう本当にどうしようもないなという感じのときにこう言います。)という感じで、自分の意見を採用して下さった。

ラウンジを出て、空港のインフォメーションカウンターへ行き、マーライオンへの行き方を聞く。
なんでも無料のシャトルバスが出ているそうで、他の観光客と乗り合いで、しかもガイド付き。
飛行機の出発時間の確認をして、帰りの時間を確認して、いよいよ出発!

かなりテンションアップ!
足は引きずり、体はボロボロでも、こういう楽しみができると人間不思議と動けるものである。

余談であるが、シンガポールでスポーツの国際試合が行われていたのだが、乗り合いのバスに、中国選手団のコーチらしき人が乗っていた。
他の乗り合いの客は、みんな連れ合いがいたのに、たった一人で乗り込んで、少しさみしそうにしていたのが妙に印象的であった。

さて、いくつかの観光スポットを回り、マーライオン近くのショッピングモールで下りる。
有名観光スポット名だけに、かなりにぎやかな場所である。
このショッピングモールから徒歩10分ほどの場所なのだが、地上は車優先で、横断歩道の数が少なく、地下に降りて地上に出て、建物を通り抜けていかないとマーライオンにはたどり着けない。
実は自分はかなりの方向音痴!
方角はわかっても、地下に下りたり、建物の中に入ったりしてしまうと、そこから外に出られなくなってしまうほどの極度の方向音痴なのである。
しかしさすがは西村先生!
なんと我々を誘導し、迷うことなくすらすらとたどり着いてしまった!
方向音痴の人間からすると、こうした能力の持ち主は、神様でもついているのではないかと心の底から感心してしまう。
こうしてマーライオンに続く橋にたどりついた。

写真
立ち寄ったシンガポールのマーライオンです

ものすごい数の人のにぎわいに驚く。
シンガポールの町は、治安が良いらしく、橋のそばの腰掛に荷物を置きっ放しにして、写真撮影にいそしんでいるひとを多数見かけた。
中には、買ってきたばかりと思われる箱に入ったままのカメラをそのままほったらかして、しかも持ち主は近くに見当たらないというのもあった。

いよいよマーライオンとご対面。
なんとも間抜けた顔立ちが愛嬌たっぷりで、海君が言ったように口から水を吐き出す姿は壮観であった。
近くには、小型のマーライオンまであった。
ここで念願の写真撮影。

写真
子供マーライオンに吼える三宅!

とりあえず、マーライオンのように口を思いっきり空けて撮りまくってもらった。
その時、例の生意気盛りの12歳は、
「マーライオンの名前の由来を知っていますか?」
などと言ってくる。
そういえば知らない…。
泣く泣く、彼に聞いてみると、
「マーメード(人魚)とライオンが合体したから、マーライオンなんですよ!」
と得意気に講釈戴いた。
まったく下らないネーミングセンスであるが、知らなかったものは仕方がない。
とにかく、思う存分、マーライオンをたんのうしてきた。

それから、ショッピングモールに戻り、ここのレストランで夕食をとることに。
何を食べるかいろいろ迷ったのだが、日本食レストランに全員が心をひかれ、9日ぶりの日本食を頂くことに。
アサヒビールを飲んで、改めて日本のビールのうまさを実感する。
茶そばと塩焼きサバ定食とさらに焼き銀杏を注文して、贅沢な夕食にした。
特別なものではなかったのに、非常においしく感じて、たった少し離れていただけなのに、日本酒が恋しくなってしまった。
(ふつうは、日本が、だろうという突っ込みは無しにして下さい。)

さて夕食後、迎えの時間まで少し時間があったので、ショッピングをすることに。
シンガポールは、観光客が政府指定の場所でショッピングした場合、一部の商品を除いて税金が全て免除される。
国の半分以上の店がデューティーフリーみたいなものである。
とりあえず、空港のラウンジに帰ったらシャワーを浴びる予定にしているので、その着替えを買うことに。
なんと服が表示価格の半額で変えてしまった。
下着を探したのだが、なかなか見つからず、アディダスショップへ。
ここで下着を買ったのだが、ここは税金値引き対象外の店であったため、なんと下着の値段が、ズボンとポロシャツよりも高いという現象が起きてしまった。

その後、少しショッピングモールをぶらついたのだが、飽きてしまい、西村先生は、明らかに疲れた模様。
タクシーで帰ることも検討したのだが、シンガポールは、道端でタクシーを拾えず、ちゃんとタクシー乗り場で並んで順番待ちをしなければならないシステムになっていて、あまりのタクシー待ちの人の多さにそれも断念して大人しくバスを待つことにした。

こうして、空港に戻ってラウンジで飛行機を待つことになった。

実は、ラウンジ利用時間は、入場後5時間となっていたのだが、利用者証明のシールを福にちゃんと張ってさえいれば、几帳面に調べられることもない。
そこで、はるかに5時間をオーバーした状態であったのだが、堂々と利用させていただいた(ごめんなさい)。
しかし、生意気盛りの12歳は、
「僕、怒られるのが嫌だから、外で待ってていいですか」
などと正論を吐きやがる。
大人は、みんな疲れていたものだから、その正論を見事に握りつぶして、シャワーを浴び、くつろぐことにした。
こうして、各自思い思いに過ごしていたのだが、海君の姿が見当たらない。
そのうち、土産物を抱えて海君が戻ってきた。
みんなてっきり、四角四面に正論を貫こうとしていたのかと思っていたのだけれども、どうやら腹をくくって気楽に過ごすことにしたようだ。
土産物は、なんとマーライオングッズ。
あんなに生意気言っていたのに、どうやら実物を見て、すっかりお気に入りになったようである。
こんなところは、なんともかわいらしい。
さらにマーライオングッズを買ったお店に案内までしてもらったが、換金したシンガポール・ドルが底をついていたので、自分は諦めることにした。

こうして、真夜中になり、いよいよ福岡と関西とでお別れすることになった。
いろいろとあって、本当に思いでたっぷりのドイツセミナーになった。
西村先生とは、本当に年に数回会うか会わないかというぐらいのお付き合いであるが、いつも気にかけていただいて、しかも、いろいろなことにお誘いをいただいている。
また、会えば、そんなに長く会っていなかったのかと思うぐらい、親しみを込めて接していただいている。
それゆえ、お別れの時は、やはりさみしく思った。
最後、西村先生とがっちりと抱き合った時は、なんとも胸板の厚さに驚いたものだが、それ以上に先生の熱い気持ちに感動してしまった。

本当に楽しい9泊10日であった。

文責・三宅遵

今日帰国します。
また、フローリアンさんに送っていただき、チュウリッヒ空港まで行き・、長い飛行機の旅、カンフーパンダを数回も見てシンガポールに着きました。
シンガポールでは乗り換えの時間があったので、市内観光です。
マーライオンを見ました。結構大きかったです。
買い物、食事をして空港に戻り、福岡行きの飛行機に乗りました。
シンガポール空港でお世話になった、三宅さんとお別れです。

三宅さん、ドイツでは本当にお世話になりました。初対面では緊張しましたが、慣れると僕がからかったりしても怒らない三宅さんのおかげで、楽しいドイツでした。
ありがとうございました。

写真
マーライオンをバックに!

佐々木海旅日誌より