第20回西村誠司組手テクニックセミナー

福岡市立油山青年の家

指導内容詳細

セミナーのご報告

写真


国内セミナートップページへ

第20回西村誠司組手テクニックセミナー指導内容


今回は競技大会で活躍している日本人選手・世界トップファターより、得意技を抜粋して、「トップ選手の技術解説」をメインに取り上げていたいと思います。トップ選手の軽々と極める技の中には、その選手しか使わない、独特の技術が隠されています。そのポイントを分かりやすく、解説して、自分のものとして、使いこなすヒントになればと思っています。

次に「得意技の創り方」では、選手自身が持っている能力を知り、その高い能力を生かした技を開発しなければなりません。身長の差・脚力があるか・手業・足技の得意など分析できることが必要です。もちろん大切な「自分の間合いの作り方」を重要視しないと、全ての宝の技も持ち腐れになります。

この自分の間合いで戦うという事が、勝者への第1条件ですので、大切なポイントですが、突き技・蹴り技の習得よりも「間合い」を確立・つかむ・自分が相手をリードする・などの分野は大変難しく、対人相手の格闘競技なので、ステップを駆使し、相手との空間・タイミング・心の駆け引き・騙し・恐れ・驚き・などを理解して踏まえて行うことが大切です。

トップ選手の技術解説

  1. 永木伸児選手の二種類の突きの入り方・返し技
    下から入る二段式ロケット中段突き(寄り足ステップ)、飛び込み上段二連発突き、後の先の右上段突き返し
  2. 松久 功選手の右拳上段突き
    身長がある松久選手は、相手に対して蹴りの、間合いで立ち会います。全ての相手の攻撃を右で必ず返しています。
  3. アレクサンドル・グエルノフ選手の後ろ足の回し蹴り・吸い込みの裏回し蹴り
    世界で最速の回し蹴りの持ち主が放つ蹴りは、軌道を修正している。
  4. セェデイナ・バルデー選手の前足の上段回し蹴り
    華麗な蹴りの持ち主であるバルデーの前足の上段蹴りも、軌道が変化している。
  5. アレキサンダー・ビィアモンティー選手の引き込み投げ
    相手の攻撃を捌き、相手の力を利用して、崩している。自分から入る方法も紹介。

世界のトップ選手の丹念に作り上げた技ですので、簡単には真似できないと思います。しかし、コツを覚えれば、自分のものに出来るはずです。得意技と言われるまでには、試行錯誤して、繰り返しの練習が必要です。

得意技の創り方の共通点

自分の特徴・優れているところを把握し、その長所を最大限伸ばすこと。身長・パワー・スピード・ステップワーク・突き技・蹴り技のどこに、自分を生かせるかを考慮する。 共通して言えることを、書き出してみた。

  1. 前拳のリード・置き場所・使い方・(控え拳の使い方)
    「左が世界を制する」とボクシング界で言われているように、前拳のリードが大切。攻防一体のテクニックを紹介。
  2. 「間合い」の確認練習
    相手との攻防を一寸(3センチ)で見切る練習。これによって、自分の「間合い」を確認する。
    つぶす・乗る・捌く・引き込む・流す・など。
  3. 中心線の置き方
    大切な中心軸をどこにおくか?攻めて重視の姿勢・受け重視の姿勢などを解説する。どこに自分は、中心・重心を置いていて戦っているか?
  4. 膝の使い方
    膝の角度・膝の抜き・踵の使い方・サイドからの膝使い・全てステップワークにつながる。

居つかないコンビネーション

  1. ワンツーからステップバック逆突き(前傾上段)
  2. ワンツーから左回し蹴り、右中段突き、右裏回し蹴り
  3. 逆・逆突きから、足払い及び裏回し蹴り
  4. ワンツーから切り替えて、右裏拳、右回し蹴り

返し技

  1. 相手右中段突きに対し、左前足を引く、前傾上段返し・左回し蹴り
  2. 相手右中段回し蹴りに対し、蹴返し中段蹴り、右上段突き
  3. 相手ワンツウに対し、切り返しの裏拳、右裏回し蹴り
  4. 相手前蹴りに対し、吸い込みの返し技
  5. その他

間合いを制すると言うことは、全ての戦いに通じることで、パワーとスピードが他人より長けていても、タイミングが外れていれば、勝負はOである。相手あっての間合いなので、出来る限り初見の相手とのスパーリングを行うことが大切です。何度も軽いスパーを心がけてください。

西村 誠司