大会記事

 34回目を迎えた剛柔会の全国選手権大会 ――― 今回は一般女子組手が初めて2階級に分かれ組手23種目と形14種目の計37種目で力と技を競い合った。外国勢も豪州、米国、イラン、シンガポール、中国香港の5カ国が参加した。大会前の海外セミナーには、これら5カ国の他、ニュージーランド、ポルトガル、ドイツなど計9カ国から約100名が参加し、国際色豊かな大会となった。

 各種目で激戦が展開される中、剛柔会の組手王者を決める一般男子無差別級で番狂わせが生じた。絶体本命と思われていた今野慶貴(東京)と九州産大3回生の福本実貴雄(福岡)とが決勝で対決。今野が追い突きの上段突きで幸先よく先制したものの、すかさず突きを返され 1―1。ややペースのあがらない今野。攻めたものの、福本のさがりながらの左上段突きを受けてしまい、王座を入れ替わってしまった。 福本は初優勝。

 重量級は九州産大3回生の塩屋雅志(鹿児島)―本田雄一郎(福岡)。九州産大の先輩後輩の対戦となったものの、現役の塩谷が6―1 と一方的にポイントを奪い初優勝。

 中量級は河野達也(福岡)―野坂竜士郎(福岡)。 地元同士の対戦となり、着々と技有りを重ねた野坂が6―1で初優勝を果たした。 無差別の福本とこの野坂は、昨年の3位からのしあがっての勝利だった。

 軽量級は菊池竜也(宮城)が6―3で同郷の樋口玲(宮城)を下して初優勝。

 少年男子は北林3兄弟の長男・正大君(香川・高松中央高)が、決勝で長崎の久貝進之介を6―3で破り初優勝を手にした。同少年女子の大野ひかる(大分)も初優勝。

 2階級となった一般女子組手の一方、55kg以上級は、石塚明日美(秋田)との接戦を制した宮本優(福岡・九州産大2回生)が初優勝。同55kg未満の方は、魚見聖世(長崎)が 延長の末、宮里真希(大阪)を破り初栄冠。

 昨年と同じカードとなった男子団体戦は、地元福岡が2年連続16回目の優勝。この試合、2勝2敗1分けの同勝敗となり、内容で福岡が勝利をつかむ大接戦だった。

 一方、形の方では一般女子形決勝が大接戦となった。ここ数年、常に上位争いを演じている3強 ― 酒居芙美(京都)・井上和代(愛媛)・中谷智子(和歌山)― がそれぞれ得意のスーパーリンペイで決勝演武。

 判定に困る程の僅差勝負となり、剛柔流らしい粘り強さと美しい線を演じた酒居が25.90点で4年ぶりに女王の座に復活した。井上和代は2度目の2位(25.85点)で、僅か0.05点差で届かなかった。31回、32回大会連覇の中谷は25.65点で3位となった(昨年2位)。 3人3様、いずれも全日本のトップ級のレベルの高い演武だった。

 少年女子形は、昨年準優勝の柏岡鈴香(大阪)が、初優勝。

 男子形の方では、やはり一般男子・古川哲也(新潟)が圧倒的な強さを見せた。 元チャンピオン与儀実勝(沖縄)を全く寄せつけずクルルンファで3年連続9度目の優勝を飾った。

 少年男子形は宮崎健太(大分)が、昨年3位の雪辱を果たし初優勝をとげた。

 このほか、超ベテラン勢の形演武も、味わい深い内容の連続だった。いずれもマスターズの全国選手権の上位を窺う老練者ばかり。

 特に50歳以上男子で3連覇をとげた斉藤仁さん(茨城・66歳)は、昨年のマスターズ大会直後、硬膜化血腫の手術をしたあととは思えない力強いスーパーリンペイを演じていた。

 40歳以上女子形もハイレベルだった。そんな中、栄冠を手にしたのが、井口美津子(福岡)。 3年連続、しかも地元での優勝とあって喜びもひとしおだっsたであろう。

 これらのタイトルを賭けた争いの間に、実に強烈なアクセントをつけたのが、大会初日、昼食時に展開された女子団体演武スーパーリンペイだ。同志社大OGの3人娘、井上和代・酒居芙美・木村陽子が、見事にスーパーリンペイで一糸乱れぬの表現通りに演武。続いて実戦さながらの分解演武を展開。関係者はもちろん、満員の観衆から「素晴しい!!」と大絶賛を浴びた。

 剛柔会の指導委員会・常任顧問の塩見明先生も「いい形だった。分解も素晴しかった」とベタほめされていた。

(全日本空手道連盟剛柔会 広報委員長 甲田壽彦)

大会結果

形の部

小学生男子1・2年
優勝 田中 透也(京都府)
準優勝 奥居 正志(大阪府)
第三位 佐々木 笙(京都府)
優秀賞 松本 笙太(京都府)
石橋 怜於(長崎県)
中條 拳夢(大阪府)
江島 崇弥(福岡県)
山本 侑大(大阪府)
小学生男子3・4年
優勝 崎山 優成(香川県)
準優勝 長谷 直樹(大阪府)
第三位 木幡 泉里(宮城県)
優秀賞 榎本 健斗(東京都)
松村 亮(福岡県)
伊藤 鉄馬(愛知県)
大井 亮哉(京都府)
廣嵜 隆朗(福岡県)
小学生男子5・6年生
優勝 畠山 晃(秋田県)
準優勝 山下 芸(福岡県)
第三位 大井 一輝(京都府)
優秀賞 上原 将人(静岡県)
大庭 裕之(福岡県)
小片 大輝(京都府)
濱園 大(鹿児島県)
高橋 康太(秋田県)
小学生女子1・2年
優勝 加藤 鈴華(大阪府)
準優勝 佐々木 友希(京都府)
第三位 古澤 彩夏(京都府)
優秀賞 寺川 萌香(熊本県)
矢野 弘華(福岡県)
藤澤 美空(香川県)
滝 南帆(香川県)
山内 伶夏(宮城県)
小学生女子3・4年
優勝 平石 紗良(香川県)
準優勝 近藤 愛(福岡県)
第三位 菅井 彩花(宮城県)
優秀賞 堀江 優月(福岡県)
上原 佳容子(大阪府)
高橋 彩音(秋田県)
大庭 さちか(大阪府)
森 愛莉(三重県)
小学生女子5・6年
優勝 朝倉 桃香(宮城県)
準優勝 小川 彩月(大阪府)
第三位 武石 佳子(大分県)
優秀賞 永野 桃香(大阪府)
尾関 栄麻菜(大分県)
青井 千幸(大阪府)
小山 莉奈(福岡県)
菅井 紗里奈(宮城県)
中学生男子
優勝 山田 直輝(千葉県)
準優勝 藤田 英憲(秋田県)
第三位 井本 匠(和歌山県)
優秀賞 千葉 康平(宮城県)
宮本 侑(和歌山県)
小倉 蓮(京都府)
姫野 航佑(福岡県)
菊池 勝充(宮城県)
中学生女子
優勝 津田 麻名(和歌山県)
準優勝 花岡 奏枝(和歌山県)
第三位 相馬 美樹(秋田県)
優秀賞 畠山 穂風(秋田県)
相馬 加椰(秋田県)
山下 紗葵(大阪府)
加藤 まな(宮城県)
郡市 貴未(和歌山県)
少年男子(18歳以下)
優勝 宮崎 健太(大分県)
準優勝 菅野 智季(宮城県)
第三位 川上 重希(沖縄県)
優秀賞 池本 達也(福岡県)
宮園 勇気(大分県) 
池 俊伸(福岡県)
松岡 健吾(福岡県)
高田 有(沖縄県)
少年女子(18歳以下)
優勝 柏岡 鈴香(大阪府)
準優勝 大野 ひかる(大分県)
第三位 平井 悠美(京都府)
優秀賞 寄玉 理央(岡山県)
前川 恵里(長崎県)
平原 彩香(神奈川県)
羽藤 千鶴(東京都)
藤原 実紗(愛媛県)
一般男子
優勝 古川 哲也(新潟県)
準優勝 与儀 実勝(沖縄県)
第三位 増田 典彦(沖縄県)
優秀賞 峯 真太郎(群馬県)
玉城 達也(奈良県)
野間 健太郎(京都府)
福田 光宏(福岡県)
小森 周一(大阪府)
一般女子
優勝 酒居 芙美(京都府)
準優勝 井上 和代(愛媛県)
第三位 中谷 智子(和歌山県)
優秀賞 尾立 麻記(福岡県)
堀井 千安希(香川県)
魚見 聖世(長崎県)
中川 晶子(京都府)
美濃部 春佳(東京都)
50歳以上男子
優勝 斉藤 仁(茨城県)
準優勝 羽藤 正実(東京都)
第三位 舛形 康人(香川県)
優秀賞 中川 智(熊本県)
坂本 真澄(大阪府)
玉城 雄三(大阪府)
成田 重直(秋田県)
堀 秀生(熊本県)
40歳以上女子
優勝 井口 美津子(福岡県)
準優勝 清水 勝子(秋田県)
第三位 牛島 央子(東京都)
優秀賞 葉田 理恵(大阪府)
竹川 明子(東京都)
藤家 美智代(福岡県)
小椋 登望恵(京都府)
伴野 紀子(愛知県)

組手の部

小学生男子1年
優勝 山本 翔和(福岡県)
準優勝 井上 広大(大阪府)
第三位 小川 颯心(大阪府)
黒川 竜之介(大阪府)
優秀賞 崎山 慶成(香川県)
那須 一洋(神奈川県)
松井 健士(京都府)
松本 卓也(京都府)
小学生男子2年
優勝 久冨 暉竜(長崎県)
準優勝 間瀬場 俊樹(大阪府)
第三位 ワイアット理央(長崎県)
安藤 大和(長崎県)
優秀賞 大野 恭成(京都府)
坂口 幹(長崎県)
西村 篤(福岡県)
佐々木 笙(京都府)
小学生男子3年
優勝 上山 大就(京都府)
準優勝 岡田 魁人(福岡県)
第三位 尾崎 貫(長崎県)
一ノ瀬 翔太(長崎県)
優秀賞 崎山 優成(香川県)
金城 龍蔵(岡山県)
飯嶋 勢(京都府)
吉瀬 莉玖(神奈川県)
小学生男子4年
優勝 廣嵜 隆朗(福岡県)
準優勝 塩津 泰樹(岡山県)
第三位 齋藤 晧太(福岡県)
安達 諒祐(大分県)
優秀賞 宮﨑 翼(神奈川県)
金子 雄飛(福岡県)
中森 廉(宮城県)
松嶋 大我(秋田県)
小学生男子5年
優勝 水之江 隆匡(福岡県)
準優勝 野中 琢(福岡県)
第三位 濱園 大(鹿児島県)
万福 康平(京都府)
優秀賞 鷲谷 皆人(秋田県)
佐藤 晃太(宮城県)
小川 和晃(富山県)
梅本 凌生(奈良県)
小学生男子6年
優勝 鳴島 崇人(東京都)
準優勝 定行 和輝(福岡県)
第三位 久保 雄大(福岡県)
釜口 幸樹(京都府)
優秀賞 大島 竜二(香川県)
白石 智哉(長崎県)
吉田 壮志(長崎県)
立川 俊輔(大分県)
小学生女子1・2年
優勝 椎野 麻怜(福岡県)
準優勝 渡部 ななみ(愛媛県)
第三位 加藤 音羽(宮城県)
藤澤 美空(香川県)
優秀賞 東 瑞稀(福岡県)
鎌田 絢子(千葉県)
古澤 彩夏(京都府)
田中 沙弥(京都府)
小学生女子3・4年
優勝 平石 紗良(香川県)
準優勝 近藤 遙菜(福岡県)
第三位 阿部 海里(宮城県)
菅井 彩花(宮城県)
優秀賞 高橋 未玖(愛媛県)
奥田 遥菜(京都府)
坂口 愛実(京都府)
堀江 優月(福岡県)
小学生女子5・6年
優勝 吉村 さちか(福岡県)
準優勝 荻野 未結(福岡県)
第三位 小野 美希(東京都)
奥田 日菜里(京都府)
優秀賞 若山 佳奈(愛知県)
齋藤 奈緒(福岡県)
青井 千幸(大阪府)
笹崎 ゆめ(宮城県)
中学生男子1年
優勝 矢口 大介(福岡県)
準優勝 白水 孝俊(福岡県)
第三位 藤澤 貴樹(大分県)
上山 雄大(京都府)
優秀賞 藤原 裕介(秋田県)
清水 勇斗(秋田県)
田中 勇樹(長崎県)
豊 香都樹(和歌山県)
中学生男子2年
優勝 富田 大作(千葉県)
準優勝 立川 遼(大分県)
第三位 高山 翔太(福岡県)
後藤 甲(和歌山県)
優秀賞 徳永 拓海(福岡県)
門田 真弥(福岡県)
小河 雅矢(福岡県)
美濃部 秋五(東京都)
中学生男子3年
優勝 鳴島 由貴(東京都)
準優勝 井本 匠(和歌山県)
第三位 清水 拓摩(秋田県)
池浦 遼(福岡県)
優秀賞 千葉 康平(宮城県)
町田 哲也(茨城県)
榎田 直人(長崎県)
大高 一番星(秋田県)
中学生女子1・2年
優勝 東海 志保(京都府)
準優勝 城田 優(京都府)
第三位 川副 はるな(長崎県)
平野 菜摘美(京都府)
優秀賞 浪岡 優(秋田県)
小椋 杏(京都府)
井上 真伊華(大阪府)
渡辺 佳那子(富山県)
中学生女子3年
優勝 鼓 莉奈(東京都)
準優勝 相馬 加椰(秋田県)
第三位 田中 杏奈(京都府)
畠山 穂風(秋田県)
優秀賞 中村 まどか(大阪府)
寒河江 恵美加(神奈川県)
花岡 奏枝(和歌山県)
水田 美加(京都府)
少年男子(18歳以下)
優勝 北林 正大(香川県)
準優勝 久貝 進之介(長崎県)
第三位 浅井 太朗(宮城県)
中田 秀樹(長崎県)
優秀賞 池本 達也(福岡県)
赤木 孝太(長崎県)
藤澤 拳大(大分県)
丹村 亮介(福岡県)
少年女子(18歳以下)
優勝 大野 ひかる(大分県)
準優勝 安井 美奈実(大阪府)
第三位 濱 良枝(福岡県)
柏岡 鈴香(大阪府)
優秀賞 山村 美沙(大分県)
藤井 愛(愛媛県)
西尾 実里(神奈川県)
三苫 朱音(福岡県)
一般男子軽量級(-65kg)
優勝 菊池 竜也(宮城県)
準優勝 樋口 玲(宮城県)
第三位 藤澤 竜太(大分県)
井上 司(福岡県)
優秀賞 小金丸 優雅(福岡県)
明石 将人(京都府)
田島 忠篤(長崎県)
引地 秀行(大阪府)
一般男子中量級(-75kg)
優勝 野坂 竜士郎(福岡県)
準優勝 河野 達也(福岡県)
第三位 峯 真太郎(群馬県)
稲 浩平(東京都)
優秀賞 古賀 洋平(福岡県)
祖田 涼太(愛知県)
山下 卓朗(長崎県)
藤澤 武之(大分県)
一般男子重量級(75kg以上)
優勝 塩屋 雅志(鹿児島県)
準優勝 本田 雄一郎(福岡県)
第三位 福吉 真也(大阪府)
牧野 裕希(福岡県)
優秀賞 山口 和哉(和歌山県)
西野 一功(京都府)
Daniel Cowdell(オーストラリア)
大比賀 泰英(香川県)
一般男子無差別級
優勝 福本 実貴雄(福岡県)
準優勝 今野 慶貴(東京都)
第三位 小金丸 正人(福岡県)
山蔭 亮二(東京都)
優秀賞 伊藤 勇気(福岡県)
Omid Teymournejad(イラン)
菊池 雅和(愛媛県)
松井 博照(大分県)
一般女子(-55kg)
優勝 魚見 聖世(長崎県)
準優勝 宮里 真希(大阪府)
第三位 山下 由希子(岡山県)
山元 奈々恵(福岡県)
優秀賞 扇 朱音(福岡県)
野村 桃(福岡県)
Haylea Fitzsimmons(オーストラリア)
Soryna Smith(オーストラリア)
一般女子(55kg以上)
優勝 宮本 優(福岡県)
準優勝 石塚 明日美(秋田県)
第三位 羽田野 利紗(長崎県)
伊東 美咲(福岡県)
優秀賞 片山 直織(福岡県)
Ma Man Sun(中国香港)
藤井 優依(京都府)
宮原 千晶(大分県)
一般男子団体
優勝 福岡県A
準優勝 香川県A
第三位 東京都
愛媛県
優秀賞 千葉県
大分県
福岡県B
大阪府