1、剛柔会とは

沖縄の空手道は、その伝統や技法の差異から那覇手と首里手に大別されており、中国南派少林拳の流れを汲む那覇手の代表的な流派が剛柔会である。
昭和5年、流祖・宮城長順により「剛柔流」と命名される。中国福建少林拳白鶴門の伝書である「武備誌」にある拳八句の中の「法剛柔呑吐身随時応変」(法は剛柔を呑吐し身は随時応変す)から「剛柔」をとり流名としたものである。

2、技術

「空手道は心身を練り、健康をはかり、急に際して身を護る道である。」
流祖・宮城長順先生は空手道の本質を、そう定義づけている。
 武道とは生死を賭けた戦いであり、その技術を習得するためには、練習時も常に真剣勝負を前提として集中力を高める必要がある。宮城長順はそのためには、心身の調和的発達が必要であると考え、様々な鍛錬法を自らの厳しい修行の中から考案していった。
 古来よりの精神修養法や健康法に近代的な視点を加え、身体面と健康増進に配慮した準備運動、体力増強のための器具を使った補助運動をいち早く取り入れ、合理的な練習体系を作り上げた。これらの準備運動、器具運動は、現在でも変わる事なく行われている。

 形は基本の三戦(サンチン)、開手形の撃砕(ゲキサイ)一・二、閉手形の転掌(テンショウ)、東恩納寛量先生伝承のサイファ・セイユンチン・シソウチン・サンセイルウ・セイパイ・クルルンファ・セイサン・スウパアリンペイが指導されている。
「三戦は剛柔流空手の基本である」と言われ、武道に於いて不可欠の「気」・「息」・「体」の修練を目的とし、威力ある攻防の技を身に付けるための正しい(腹式)呼吸と姿勢を養うことを主眼とした基本鍛錬形である。
転掌は流祖宮城長順が中国拳法南派少林拳白鶴拳の六機手を研究考案し、閉手形とした。「気」・「息」・「体」の修練を目的とすることは三戦と同じで、開掌による各種の受けと掌底による攻撃が主眼となっている。




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