2019年 新年のご挨拶

一般社団法人全日本空手道連盟和道会
会長 飛鳥 宗一郎

新年を祝う

明けましておめでとうございます。
皆様には輝かしい新年をお迎のこと寿ぎ申し上げます。

さて、昨年8月16〜17日、日本武道館を会場に10年振りの開催となった「和道会インターナショナルカップ2025大会」は、皆様方のご支援のもと盛大かつ華やかに挙行できたこと、ここに改めて御礼申し上げます。

また、抜群の戦果を挙げられた選手とコーチングスタッフの努力辛苦に感謝いたしております。

空手道大好きで励まれている皆様に、年頭に当たり、第35代横綱双葉山(1912〜1968年)と「木鶏(もっけい)」という寓話を提言とし、今年の稽古鍛錬の指針にしてほしいと思います。

今から90年近くも前のことですが、未だ前頭だった双葉山は、当時2場所制だった1936年春場所7日目から1939年春場所3日目まで4年間負けなしの連勝を続け、70連勝を目前にして平幕安芸ノ海(後に横綱)に破れた。近年では大鵬、千代の富士、白鳳と、この大記録に挑むが誰も破れなかった。

敗戦の夜、双葉山は師と仰ぐ安岡正篤(1898〜1983年。哲学者、思想家)に「ワレイマダ モッケイタリエズ フタバ」と打電した。

この「木鶏」とは、中国唐時代の『荘子』にある寓話の一つで、それは、ある王が紀悄子(きせいし)という闘鶏を育てる名人に鶏を預け、10日ほどして仕上がりはどうかと下問すると、「未だ空威張りして闘争心があるからいけません」と答えた。

又10日が経って問うと「とても駄目です。他の闘鶏の声や姿を見ただけでいきり立っています」と。又10日ほど経って聞くと、「目を怒らせて己の強さを誇示しているから話になりません』という。更に10日が過ぎて問うと、「もうよいでしょう。他の闘鶏が鳴いても全く相手にしません。まるで木で造った鶏のように泰然自若としています。その桙フ前にかなう闘鶏はいないでしょう」という話です。

10日毎という短縮した設定になっているが、この間の育成変化は誰しも経験するであろう武技と精神の修行過程を簡明に示すものといえる。

双葉山は著書『相撲求道録』の中で安芸ノ海との一番に触れているが、見事なほど謙虚な言葉で綴られている。

この「木鶏」に学ぶ修行を思うとき、求道者ならば「克己」、武道家が目指すところは「無心」、芸術家なら「入魂」、社会生活では「誠実」、家庭にあっては「慈愛」をもって生きることにある。

当時の力士たちの誰もが目指した打倒双葉山を達成した安芸ノ海の師匠・出羽の海も凄い。取り組みが終わり観衆に揉まれて帰ってきた安芸ノ海に「勝って褒められる力士になるより、負けて騒がれる力士になれ」と諭していたという。

双葉山の残した言葉に、『稽古は本場所の如くに、本場所は稽古の如くに』『勝負師は寡黙であれ』『相撲は身体で覚えて心で語れ』などがある。

一般社団法人 全日本空手道連盟和道会
理事長 佐野 善紹

年頭に思う

全国の和道会会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年2025年の夏、日本武道館において開催された「和道会インターナショナルカップ2025大会」は、会員の皆様のご協力により盛大に行われました。改めて深く感謝申し上げます。また、多くの協力団体の皆様にも厚く御礼申し上げます。

年頭にあたり

2026年は、国内のみならず世界に向けて和道会のさらなる発展を目指し、技術指導員を派遣して統一された指導力を発揮できる体制を築いてまいりたいと存じます。

近年、全空連における和道会の選手数は減少傾向にあり、強化指導体制や講習会の在り方、さらには執行部の考え方を見直す必要があると感じております。かつて和道会は最強を誇りました。その精神を今に受け継ぎ、未来の選手育成に繋げなければなりません。

今後の課題と方向性

  • 組手・形の選手育成をさらに充実させること
  • 全空連における役員の立場や位置づけを見直すこと
  • 各地区・県連において若手指導者を養成し、少年少女の支えとなること

和道空手は武道であることが原点です。しかし、少年少女が求めるスポーツとしての側面も尊重し、努力の成果として勝利を目指す姿勢を支えていく必要があります。

また、40代・50代の指導者を育成し、全空連でも活躍できる人材を確保すること、和道空手の教本を編纂し、会員が理解しやすく永遠に残る財産とすることも重要です。さらに、60代・70代の指導者が新しい方向性を示し、次世代へ継承することが望まれます。

今年の目標

今年は「和道会あっての全空連」を掲げ、指導員の視点を改め、少年少女の成長を第一に考えて活動してまいります。

年3回実施される選手強化練習には、現在の参加者に加えて、中学生および小学校高学年の選手にも参加していただき、さらなる育成体制を整えてまいります。

2030年開催のインターナショナルカップのみならず、全空連の大会にも優れた多くの選手を送り出せるよう努めてまいります。

全国の指導者・先生方におかれましては、より多くの少年少女を選手強化練習へ参加させていただき、途切れることのない和道会を共に築き上げていきましょう。

以上、私の「年頭に思う」心意気を記しました。ご理解いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。