2019年10月26日(土曜日)・27日(日曜日)の2日間にわたり、「令和元年度第3回指導員(有資格者・無資格者)研修会」が豊島区池袋スポーツセンター(東京都)で開催され、延べ75名が参加しました。
講師は技術委員の柳田俊介先生、佐々木清巳先生、篠原正道先生、園田玉紀先生、伊藤康夫先生の各先生方が務めました。

研修会では、その場基本・移動基本、基本形(ピンアン初段〜五段)、ナイハンチ、クーシャンクー、セイシャン、ニーセーシー、チントウ、ワンシュウを確認しました。

柳田先生は、「形を形と思って演じずに、形の一挙動一挙動を組手だと思って演武するようにしてください。指導員のみなさんは、ここで学んだことを持ち帰り、ぜひ、次の指導者層をしっかり育て上げていただきたい」と参加者を激励しました。
佐々木先生は、「形の演武では相手がいないので、正しい動きと違っていても気づかない場合があります。基本組手を正確に覚えていただくと、技が効いていることが分かり、基本組手は楽しい、という気持ちになれます。形の上達にもつながります。 正確にやろうとして固くなりがちです。役割分担せずに、受け手が攻め手になることも想定して構えれば、スムーズに動けます」と説明。特に1本目にはすべてが凝縮されていること、10本目には、外から見えない技が含まれていることなど、実践(実戦)に即した研修が行われました。

チントウを指導した伊藤先生は、「和道ではチントウが最終的で大事な形だと位置付けられています。挙動自体はそれほど複雑ではないのですが、スピードをつけて鋭く動こうとすると、バランスを崩しやすくなります。中心軸がぶれると、どんどんずれていきます。だからといって緩くやっていては、意味がありません。瞬間的に力を爆発させるイメージを持ってください。他流派にもチントウは難しい形だと認識されていますので、競技大会で高得点が狙えます」と解説、奮起を促しました。

研修会に参加した方からお話をうかがいました。 奥町道場副代表・首席指導員のラキブル(良気舞流)・イスラムさんは、バングラデシュ出身。「ヨーロッパを中心に、いろいろな国で指導してきました。よい指導者、よい審判員になるため、勉強は欠かせません。毎日、空手を頑張っていて、日曜日は審判をしています。日本でも指導者として上を目指すため、今回初めて3級指導員に挑戦することにしました」と意気込みを語っていました。

偶成会高木道場代表の戸谷和弘さんは、「形は続けるほど難しく、疑問も出てきます。教えるというのもおこがましいのですが、日々勉強し、稽古を続けています。(自分で)やって見せられないと、子どもも大人も納得しないと思います。日頃指導していることが間違っていないか、確認に来ました」といいます。 和道会銚子の柴田昌孝さんは、「基本の確認と勉強のために参加しました。自分ではわかっているつもりになっていたことにも気づきました。生涯勉強です。教えていただいたことは、次の世代に正しく伝える義務と責任がありますので、勉強は続けていかなければと思っています」と話していました。

2日目午後には3級指導員審査会が併催され、基本と基本組手、形、自由組手で審査が行われました。結果は後日、各自に通知されます。

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2日目に参加されたみなさん

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技術委員の柳田俊介先生

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技術委員の佐々木清巳先生

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技術委員の篠原正道先生

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技術委員の園田玉紀先生

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技術委員の伊藤康夫先生

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3級指導員審査会

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(左から)ラキブル・イスラムさん、戸谷和弘さん、柴田昌孝さん