空手界の悲願だったTOKYO2020オリンピックの空手競技。夢の舞台に、和道会から西村拳選手(男子組手75kg級)と、エレナ・クリッチ 選手(スイス・女子組手61kg超級)が出場しました。

空手競技の2日目(8月6日)。世界中の和道会会員がライブ中継を見守る中、西村拳選手が登場しました。

冴え渡る中段突き

西村選手の初戦はアメリカ代表のトーマス・スコット選手。中段突きで先取をとると、残り1分17秒にカウンターの中段突きを決めて2−0、幸先よく勝利しました。

2戦目はウクライナのスタニスラフ・ホルナ選手。序盤から苦しい展開が続きます。上段突きを決め1ポイントを返します。残り3秒にホルナ選手に上段突きを決められ1−2。惜敗しました。

和道の組手を存分に見せた第3戦

3戦目は、エジプトのアブダラ・アブデラジズ選手と対戦。  
開始6秒、アブデラジズ選手に上段突きを決められ、その後もポイントを許し、3点を追う展開になります。しかし残り1分48秒、中段突きを決め1ポイントを返し、試合中盤の2−4と追う展開で西村選手は凄まじい反撃をみせます。

中段突きを決め3−4、1ポイント差、5−5でポイントで並ぶと、上段突きを確実に決め、6−5と逆転。この直後、アブデラジズ選手に上段突きを決められ、6−6。
せめぎ合いの攻防で、西村選手の技は冴え渡ります。中段突きを決め7−6、再びリードします。  
ここでアブデラジズ選手に上段突きを決められ7−7。先取がない西村選手は残り5.7秒、中段突きを決め、8−7。激闘につぐ激闘に競り勝ち、予選2勝目。予選突破に王手、勢いに乗ります。

そして迎えた予選第4戦。勝つか引き分けで準決勝進出が決まります。4戦目の相手は、ハンガリーのカーロイガーボル・ハルシュパタキ選手。膠着状態を打ち破って残り27秒、西村選手は上段突きを決め1−0、先取をとります。しかしハルシュパタキ選手に上段蹴りを決められ、1−3。このとき、残り時間の表示は0.0秒でした。

西村選手はあと一歩届かず、メダルを逃しましたが見事な戦いぶりを見せてくれました。この戦いを糧にこれからどれだけ飛躍するのか、そして、西村選手に続く、和道会会員の皆様の一層の活躍を期待します。

写真:西村拳選手