第12回西村誠司組手テクニックセミナー-県立大隅公園内『 大隅アリーナ21 メインアリーナ 』-

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第12回西村誠司組手テクニックセミナー感想文

第12回西村誠司先生組手テクニックセミナーを開催して

高山修武館空手道場 代表 松元 和成

 この度、「第12回西村誠司先生組手テクニックセミナー」を鹿児島県高山町で開催することとなった。今回は本土最南端の地にもかかわらず、遠くは大阪、愛媛からの参加もあり、受講者の熱心さに驚かされるが、同時にこのセミナーの人気の高さをうかがい知ることも出来る。

 これまで先生のセミナーには2回程参加させて頂いているが、必ず基礎体力トレーニングがメニューに含まれる。競技ルール改正で、より体力を必要とするようになった今日においては当然と言えば当然であるが、しかし、ただ体力作りをやればいいかというとそうでもない。

 目的に応じて、瞬発系のトレーニング・持久系のトレーニングと分けられた練習メニューは子供から大人まで誰にでも気軽に取り組める、工夫されたトレーニング法である。ゲーム感覚が取り入れられおり、一見楽しそうに見えるところがポイントで、必ずしも歯を食いしばってやるものでもないが、その実はかなりハードなトレーニングである。子供たちは別にして、ほとんどの大人の参加者は翌日以降確実に筋肉痛に泣かされるはずである。

 今回のセミナーのメインメニューは「キックテクニック」であった。予定時間をはるかにオーバーして、みっちり2時間指導頂いた。トレーニングと同じく、西村先生のセミナーの素晴らしいところは、メニューが1から10へ、安易なものから難しいものへと段階的に組み立てられているところである。このような組み立て方で参加者は飽きることなく、むしろ「次はどんなテクニックだろう?」と興味を持ち続けながら楽しく受講出来、気がついたら、高値の華であった「裏回し蹴り」が「僕にもちょっとは出来るようになった!」と実感できるのである。

 もうひとつ先生のセミナーで特筆すべき点は、練習の合間に、学習したことを各自持参してもらったノートに要点をまとめる、あるいはグループごとに質問をしてもらう、といった時間が設けられているところである。人間はやはり忘却の動物で、時間の経過とともに少しずつ記憶が曖昧になっていくことは承知のことである。「感覚=知覚」ではなく、「感覚は知覚の前段階であり、知覚は感覚よりも高い次元にあって認知活動を行っている」、という理論をノートに記録させることにより優しく指導されているのである。

 子供たちはそれぞれ、大会や練習試合といったような練習の成果を発揮出来る場で、自分の技量の到達度を認識するものと思われるが、そのフィードバックの起点をこのようなセミナーに置くことは指導者としては意義のあることと思われる。
自らの理念と行動力で各国を絶え間なく奔走され、世界の空手事情に精通されている西村先生と、このようなセミナーで接点を持てることも、ありがたいと思うのである。
 西村先生が今後ますますご活躍されることを祈念して、セミナーの感想といたします。