2005 USA OPEN KARATE CHAMPIONSHIPS

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大会出場者の結果&感想


山口晃義選手による大会日誌
3月24日(出発)

3月25日(調整)

3月26日(大会初日)

3月27日(大会最終日)

3月28日(フリー)

3月29・30日(帰国)

 

3月27日(日曜日)〜大会最終日

写真7
プレゼンターのシーザー軍団

 いよいよやってきました、試合当日!!まずは少年の部から組手開始です。
 昨日、型で準優勝のカズは第3位。準決勝で相手の歯を折ってしまいました。すごい。きれいな飛び込み上段逆突きが相手の顔面直撃。ポーンと歯が飛んでいきました。不運な反則負け。その後の3位決定戦ではコールド勝ち。逆に相手に口内炎をどつかれて、痛そうでしたが。痛みをこらえてよく頑張った。思い切りのよい組手でした。

 土田兄弟は弟が先取り延長、兄が1ポイント差と接戦でしたが惜しくも敗退。2-2とかなので相手の技をきちんと抑え、ロースコアでの試合展開はNiceです。
 さて我々成人の部の出番です。山代君はビギナーに出場。外国人が素面にゴーグルで同クラスに出場しているのを見て『ゴーグル割ったる!』と気合十分。結果は優勝。おめでとう!
-70kgでは誠太君と木村君が出場。誠太君は一回戦コールド大量10点を奪い快勝。外国人選手の得意技『相手を呼び込んで、送り上段内回し蹴り』を決めてフィニッシュ。この勢いで、といきたいところでしたが二回戦相手の強打で負傷。無念ドクターストップ。しかし強かった。

 木村君は内容的には7-3と競った展開。いわゆる高空連の空手。詰めて中段逆突きを一発バーンときめる。負けましたが自分のスタイルを崩さなかったのはさすがです。
 +80kgでは井形君が出場。やっぱり出場選手がデカイ。国内のデカイは体重が多い選手が多いですが、ここは身長が高く肩幅も大きな選手が多い。そんな中井形君は残念ながら敗退。本人の感想にもありますが、外国人選手相手に運動量を落とすのは危険。よく動いてくるのでどんどんポイントを取られるようです。一番覚えているシーンは、転倒した井形君が足で相手を牽制。その瞬間、体をクルッと一回転させて顔面に回り込んだこと。素晴らしい落ち着きと反応でした。井形君も前半はいいペースで試合展開をしていました。次回以降に期待です。

 自分の出場したのは-80kg。結果は0-8といい所なしでした。上段回し蹴りをもらいましたが、軌道が見えないことはなかった。見えたけど避けられなかった。カウンターの逆突き中段にしても自分の体が動けないタイミングで仕掛けられて完敗でした。
 本日組手チームMVPは兄貴・長井先輩。普段は伝統空手でないためステップワークを踏んだことがなく、当日も動かない組手でした。ところが相手をこかす、中段蹴りを叩き込むと一回戦、二回戦危なげなく8-0完勝。プレッシャーを相手にかけ、国際大会の緊張感を完全に克服。やはり一番大事な点はここだと考えさせられます。準決勝では3-4と惜しくも優勝選手に敗退。上段回し蹴りをもらった時、笑顔を見せ『KARATE』を楽しんでいる先輩が印象的でした。その後3位決定戦でも気持ちを切替え、見事勝利。自分のスタイルを崩さず、出来ることをし続けた先輩が印象的でした。

写真8
男子個人戦3位の長井選手・飛び込みシーン

写真9
西村誠太君・トルコ選手のパンチを受けてドクターストップ

 終わった後は試合観戦。決勝戦は試合会場中央、一段高く設置されたコートで行われます。
 形決勝には荒川先輩が出場。見事なアーナンでした。アナウンスも英語で呼び出し時間もはっきりしない中、今日一日調整されてきた先輩。結果は相手の世界2位に負けてしまいましたが、その気合、技は立派でした。相手はウンスー。印象としては最初の動作までタメが長い。いわゆる“見せる”形でした。重厚な演舞で見るものを魅了する演出には感嘆です。

 決勝は順次行われましたがMVPはやはり女王『エリサ・アウ』。今日は出場した全4種目で優勝。賞金計8,000$。技はほとんど中段逆突き。大技は奇抜な技がなく、本当にオーソドックスな組手でした。ポイントは『間合い』『集中力』。相手が詰めてくるとスッと間合いを詰めるため相手が技をしかけにくい。そして相手の隙が見えた瞬間に飛び込んでいき逆突き。3分間の集中力がすごい。もちろん技自体も早く、きれいですが。試合後の礼儀もよく、すごく素敵な選手です。

写真10
8月来日予定のスーパーガールエリサ・アゥ選手・完全制覇達成!

 礼儀でいうと若干問題あったのはトルコ。女子組手団体はトルコvsUSA。トルコはWKF世界大会団体優勝メンバーです。対するUSAは女王エリサとシャノン。同じく世界大会-53kgで第3位の選手です。結果はその二人が勝ち2-1でUSA優勝。しかしトルコは審判に向かって非常に文句を言っており、最終的に挨拶せず帰る選手あり、相手に手をぶつけるような握手をする選手あり、とめちゃくちゃでした。この位プライドのある選手が強いということか。それに対する会場のブーイング、USAコールもすごかった。国際大会、お国柄が出ると熱い試合になるようで尚更平常心で臨むのは難しそうだ。

 男子団体組手はアゼルバイジャン(ロシア?) が優勝。世界大会+80kgで優勝のロシア・チャンピオンが強かった。まず蹴りから試合を組み立てている印象を受けました。突きから組み立てるのと違い高得点のため試合展開が楽になるようです。上段、中段、内回し、後ろ回し・・これだけ多種の蹴りで全てポイントを取れるのはすごい。

 さあ試合も終わり日本選手団は打ち上げ会場へ。USA井垣ヘッドコーチも一緒に日本食レストランにて。久しぶりに聞く日本語。日本人はどこにでもいる。コーチの言葉から一つ『ラダートレーニングは裸足でしない』。裸足では足にダメージが蓄積されるため最終的にスピードが遅くなるそうです。驚き。今まで間違って行っていました。こんな風に勘違い、固定観念で行っている部分をなくし進化する空手を行う。その必要性を感じました。

写真11
戦い終えて日本チームお疲れ様

 今日の小ネタは二又先生。西村先生のカバンが会場からなくなり、警察まで呼んで大騒ぎする一幕が本日あったのですが。そのカバンを持って歩いている二又先生発見。置いてあったから管理しておこうと思って・・。うーん、マイペース。素敵な間をお持ちのお方です。