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 試合競技に勝つ戦法 技術編

 今回から空手技術に入っていくわけであるが、前半パンチテクニック、後半キックテクニックと進めていきたい。
 初回は少し長くなるが、心構えなり戦法などを述べてみたい。文字の羅列のアドバイスを選手の皆さんが立体化して自分に合うように理解し、咀嚼して身に付けてもらうことができれば幸いである。

 - 心構え - 
 常に自信を持った立ち会いをすること。自信をもった立ち会いとは豊富な練習量、自己に対する反省及び錬磨、技に対する研究などを納得いくまで行なうことからうまれる。何よりも取り組み姿勢が他人に絶対負けないという意欲が旺盛なことが大切である。
 年間を通じて浮き沈みが少なく、自分自信をコントロールできる精神力も大切である。特に国際試合では審判及びルール、大観衆に対する戦略を含め、相手を落ち着いて見れることが大切であり、勝敗の要である。
 強い心とは、経験から練りあげることもあるが、要は相手をミスなく呑んでかかることであり、自分自信に対する信頼を強く持つことである。
 他人と同じ練習では自信が持てることはないし、自分に合った技の創意工夫をして、自分の空手世界を作り上げることが勝敗を決めることだろう。

 - 戦法 - 

その1 相手の攻めてくる間合いの「先の先」が勝負の基本!
 攻める瞬間はどうしてもガードが甘くなるのでそこをすかさずとらえて、カウンター攻撃を行なう。できればお互いに正面からぶつかり合うのではなく、相手の正中線をとらえながら、自分の正中線を有効なところに置ければベスト。

注意〜 最初から受けに回らない。押して、押して行くリズムでなくては、小さなチャンスはとらえられない。
 受けを攻撃に転じるような、逃げるための受けではなく、全て攻撃のための受けを行なわないとタイミングがとれない。また、間合いに入りじっと待っているのではなく、先に仕掛けるのも「先の先」である。

その2 攻撃は早く連続で!
 単発で攻撃をすると読まれやすいので、捨て技、フェイント、足払い技を多用し(その1の「先の先」を食わないように)攻撃を始めたら2発、3発と止めの合図があるまで、最後まで攻撃を緩めてはならない。
 特にゆさぶってからのサイドの攻撃は大きい相手に非常に有効である。

注意〜攻撃は遠い所からではなく、自分の届く間合いに詰めていくことが大切で、スピードと気迫で圧倒して、相手の懐から攻撃し、相手を浮き上がらせるような下からの連続攻撃が有効である。

その3 「静」より「道」のリズムで!
 国際大会は今や「動」のリズムでポイントをとりにきている。国内大会では静かな間の詰め合いが見られるが、やはり自分のリズムを作った者が有利である。
 止まった状態から技を繰り出すと技の起こりが読まれやすいので、動いている状態から技を仕掛けるほうがロスタイムが少なく、スムーズな動きができるのだ。
 自分に合ったフットワークを身に付け、攻めの先手、先手と取り、相手をリードすること。

注意〜フットワークには強い脚力が必要で、トレーニング編を再度見直し練習していただきたい
その4 自分の得意技パターンを作れ!
 自分にとって試合で有効な技の基本パターンを研究し作りあげる。それを繰り返し練習して磨き込むことによって、大脳にその回路が形成される。そのためには自分の技にするために、何百回、何千回もの単調な練習を根気よく行なわなければならない。
 試合中、技を決めて相手に打ち込めることは少ない。相手の動きを瞬間的に体が把握し、自然に反応してベストのパターンができるようになれば、必勝である。

注意〜試合において利用している技は、気をつければ分かるが、そんなに多くないものである。
 臨機応変に小技がだせれば、あとは、基本パターンは少数でもよいから、絶対の自信をもつまでのものにすることが重要である。

その5 相手のミスを絶対逃すな!
 相手が小さなミスをしたときに、逃さず決めることが大切である。受けの事だけを考えていると、例えば足払いを失敗しているのに、動かずにいるような状態になってしまう。
 心にゆとりと集中力がなければいけないが、どんなに強い相手でも、一試合に一つか二つはしまったと思うときがあるものである。逆を言えば、相手がミスをするような状況を作ることがうまい選手がチャンプとなる。

注意〜 激しい攻撃を繰り返し、後半疲れて大振りになり逆転される選手を見かけるが、3分間フルタイムで動ける体力もチャンプの必要条件である。

 - 空手人としての個性を出せ - 

 人間1人1人は違うものを持っている。体の大きい人、素早い人、足技がうまい人、間合いをとるのがうまい人など何か他人より優れているものがあるはずである。もちろん正しい基本をおろそかにしてはならないが、その優れているものを速く見つけだし、伸ばしていくことによって、その他のものも良くなっていくといえる。歴代のチャンプ達はいずれも自分のムード、リズムを持っていて、それにチャンスに自分の特有の決め技を持っている。であるから、ここで大切なことはいかにこだわりを持って空手生活を送るか、ということではなかろうか。